2023.10.26
CoQ10は何に効く?
ストレス・睡眠・疲労-トリプルクレーム-
ストレス、睡眠の質、疲労感の間には相互作用が存在し、密接に関係していると考えられています。
ストレス、特に精神的ストレスは意欲の減退、思考能力の低下などとともに全身のけだるさを誘発すること※1、また、ストレスと緊張はやすらかな睡眠を妨げ、不眠症の原因になること※2 、また、疲労は睡眠の質の低下と関連すること※3 、さらに、睡眠障害は注意・集中困難、倦怠感、意欲低下、不機嫌などをきたすこと※4が知られています。
睡眠障害には酸化ストレス及び炎症が深く関与していること※5が報告されていますが、還元型コエンザイムQ10は抗酸化作用だけでなく抗炎症作用を介して睡眠障害を緩和し、睡眠の質を改善すると考えられています。さらに、還元型コエンザイムQ10がストレスの指標である自律神経機能を改善することが報告されており※6 、還元型コエンザイムQ10が自律神経機能を介してストレス軽減に働いている可能性も示唆されています。
疲労感は不安、抑うつ状態、気分障害等の精神的疲労感と、身体のだるさや疲れが抜けないなどの身体的疲労感があり、それらの発症メカニズムには酸化ストレスやエネルギー不足などが深く関与していることが報告されています※7 。『活動』という負荷がかかった際に、細胞の抗酸化物質(還元型コエンザイムQ10、ビタミンEなど)が不足していると、細胞内の機能蛋白やリン脂質膜が酸化し、その修復に必要なエネルギーが不足すると急性疲労が生じます※8 。
また、精神的ストレスや疲労が蓄積すると脳内炎症により脳機能が低下していることが報告されています※9 。最近の研究では、還元型コエンザイムQ10はミトコンドリアの活性を高め、かつミトコンドリアの内因性抗酸化物質の量を増やすこと※10 、炎症性サイトカインの産生を抑制することで抗炎症作用を発揮することなどが報告されています※11 。
※1 南谷晴之,(1997) バイオメカニズム学会誌, 21:58-64
※3 Akerstedt T et al, (2014) J Psychosom Res, 76:280-285.
※4 本多 真, (2007) 日薬理誌, 126:422-426
※5 Morris G et al, (2018) Sleep Med Rev, 41:255-265
※6 Fukuda S et al, (2016) Biofactors,42:431-440.
※7 Tobe EH, (2013) Neuropsychiatr Dis Treat , 9:567-573
※8 渡辺恭良、(2010) 別冊「医学のあゆみ」最新・疲労の科学 p10-16
※9 Nakatomi Y et al, (2014) J Nucl Med, 55:945-950
※10 Tian G et al, (2014) Antioxid Redox Signal, 20(16):2606-2620.
高ストレス者の還元型コエンザイムQ10摂取による変化
還元型コエンザイムQ10は、ストレスを強く感じている健常者の日常生活でのストレスの感じ方を軽減し、深く質の良い睡眠を維持して寝起きの疲労感を軽減することが報告されています。