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コエンザイムQ10は2種類あり!「酸化型」と「還元型」!

還元型コエンザイムQ10

コエンザイムQ10は2種類あり!「酸化型」と「還元型」!

人が生きるために必要なエネルギーの大部分は、細胞の中のエネルギー工場(ミトコンドリア)で作られています。このエネルギー工場で欠かせない成分が、「コエンザイムQ10」です。

体内でコエンザイムQ10が不足すると、食事から摂る栄養が足りていてもエネルギーを十分に作り出すことができません。コエンザイムQ10が体内に十分にあれば、エネルギーを作り出す力が活発になり、細胞が元気な状態になります。
コエンザイムQ10は全身の健康にとって重要な存在なのです。

大切な役割を持つ「コエンザイムQ10」ですが、実は2種類あります。
「酸化型コエンザイムQ10」と「還元型コエンザイムQ10」です。

コエンザイムQ10は「酸化型」「還元型」の2種類!
特長はこれだ!

「酸化型」と「還元型」の違い
【その1】抗酸化作用

サビにくい体づくりを応援する!

コエンザイムQ10には「酸化型コエンザイムQ10 」 と「還元型コエンザイムQ10」がありますが、「還元型」だけが持つ大切な働きが「抗酸化作用」です(※1)。
エネルギーを作り出す時にできる物質のひとつに「活性酸素」があります。増えすぎると細胞にダメージを与え、老化や病気を引き起こす原因の一つになります。
還元型コエンザイムQ10は「活性酸素」を直接除去する働きがあります。さらに、抗酸化物質であるビタミンCやビタミンEを再生して、間接的にも抗酸化力を高めてくれます(※2) 。
つまり、還元型コエンザイムQ10は直接的・間接的に抗酸化作用を発揮して細胞のダメージを軽減し、細胞が元気な状態を維持してくれるのです。

コエンザイムQ10はエネルギーを作る過程(電子伝達系)で電子の受け渡しに関わっており、エネルギー(ATP)合成の効率を高める補酵素(コエンザイム)として働いています(上図①)。
エネルギーを作る過程では、リレーのように電子を受け渡すことが必要です。コエンザイムQ10はリレーの要員であり、酸化型が電子を受け取ることで還元型になります。還元型が電子を次のリレー要員に渡し終えると、再び酸化型に戻ります。
また、還元型コエンザイムQ10は、エネルギー産生時に発生する活性酸素が細胞やDNAを傷つけるのを妨げる重要な働きも担ってます。(上図②)

抗酸化物質には数多くの種類がありますが、還元型コエンザイムQ10がエネルギーを作り出すことに直接関わっていることが、他の抗酸化物質と異なる特長のひとつです。
還元型コエンザイムQ10は活性酸素によるダメージを軽減しながら、細胞の働きや修復に必要なエネルギーを充実させることができる成分なのです。

「酸化型」と「還元型」の違い
【その2】加齢による影響

年齢とともに体内では「酸化型」が増加!

コエンザイムQ10は体の中で作られますが、1日の必要量の全てを補えるわけではありません。さらに、加齢とともに細胞内のコエンザイムQ10濃度が減少することが報告されております(※3)。血液中のコエンザイムQ10の25~40%は食事由来です。中高年の方はコエンザイムQ10が豊富な食品を意識して摂るようにすることが大切です。
また、体内で作られるのは主に「還元型コエンザイムQ10」です。健康な人では血中のコエンザイムQ10の95%以上が「還元型コエンザイムQ10 」で維持されています(※4) 。
しかし、高齢になると血中の酸化型コエンザイムQ10の割合が増加します。一方で、還元型コエンザイムQ10の割合が減少し、さらに臓器に含まれる総コエンザイムQ10量も減少するという報告もあります(※5) 。

例えば、糖尿病患者の方は総コエンザイムQ10量と還元型コエンザイムQ10の割合が著しく低下すると報告されています (※5) 。

総コエンザイムQ10量、そして還元型コエンザイムQ10の割合が低下するということは、エネルギーを作り出す力と抗酸化力が低下している状態だと考えられます。
お肉やイワシなどコエンザイムQ10を多く含む食事を摂る、サプリメントなどで補うなどの対策をおすすめします。

「酸化型」と「還元型」の違い
【その3】吸収と変換

「還元型」は吸収されやすく、変換不要でそのまま働く。

■吸収されやすい還元型

食事などでコエンザイムQ10を摂った場合、酸化型コエンザイムQ10よりも還元型コエンザイムQ10の方が血中コエンザイムQ10濃度が増加しやすいことが分かっています。(※6)
健康な人の血中コエンザイムQ10濃度を調査すると、酸化型コエンザイムQ10よりも「還元型コエンザイムQ10」を摂取した方が3倍以上も血中濃度が高いことが予想されるデータもあります(※7) 。
還元型コエンザイムQ10は酸化型コエンザイムQ10よりも消化・吸収過程で効率良く取り込まれることが理由です(※8)。

■変換不要でそのまま働く還元型

酸化型コエンザイムQ10は、摂取しても体内では還元型コエンザイムQ10に変換されてから働きます(※8) 。ですが、還元型コエンザイムQ10に変換する力は加齢によって低下してしまいます。

コエンザイムQ10の重要な働きのうち、今回は次の2つを紹介しました。

①細胞や組織の活性化に必要なエネルギーを作る効率を上げること
②抗酸化作用(還元型の特長)があること

効率よくコエンザイムQ10の働きを実感するには
還元型コエンザイムQ10がおすすめです。
「還元型コエンザイムQ10」は、肌の美しさや免疫力の向上、疲労回復などさまざまな健康効果が期待されています。

参考文献

※1 Hernández-Camacho JD et al, 2018 Front Physiol. 5;9:44

※2 Littarru GP et al, 2007, Mol Biotechnol. Sep;37(1):31-7.

※3  Kalen A, et al.,Lipids. 1989;24(7):579-584.

※4 Wada et al., 2007, JAGS 55:1141,

※5 Littarru GP et al., 2007, Mol Biotechnol Sep;37(1):31-7.

※6,7 Hosoe K et al, 2007, Reg Toxico Pharmacol, 47:19–28. Ikematsu H et al, 2006, Reg Toxico Pharmacol, 44:212-18.

※8 Failla ML et al (2014) J Agri Food Chem 62:7174-82

※9 Hernández-Camacho JD et al, 2018 Front Physiol. 5;9:44