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体内の「コエンザイムQ10」は、加齢とともに減少

還元型コエンザイムQ10(3)

健康を支えるコエンザイムQ10は加齢や病気など、様々な理由で減少します。コエンザイムQ10が減少する2つの理由についてご説明します。

体内の「コエンザイムQ10」は、加齢とともに減少

理由1 加齢

20歳、40歳、80歳時点でのコエンザイムQ10の現象率を表す図。肝臓は20歳で100%、40歳で108.3%、80歳で83.0%、肺は20歳で100%、40歳で95.3%、80歳で51.7%、腎臓は20歳で100%、40歳で72.6%、80歳で65.3%、心臓は20歳で100%、40歳で68.2%、80歳で42.9%

体内各器官でのコエンザイムQ10の減少

私たちの体に必要不可欠なコエンザイムQ10ですが、その量は20歳を境に減少してしまいます。特に、常に動き続けている心臓は多量のエネルギーを消費するため、減少も著しいことが分かります。コエンザイムQ10の量が減っているということは、エネルギーの生産量が減少しているということ。健康を支える力が弱ってきている状態と言えます。(※1)

※1 Kalen A et al (1989) Lipids 24(7):579-584

理由2 病気

体内のコエンザイムQ10量が減少する原因はさまざまで、加齢やストレス、病気、禁煙、薬など

コエンザイムQ10は、加齢と共に体内の量が減少しますが、うつ病、尿毒症、心疾患、スタチン服用中の脂質異常症などの疾患を​お持ちの方で体内量の低下が観察されています。(※2,3,4,5,6)

※2 Maes M et al (2009) Neuro Endocrinol Lett 30(4):462-469

※3 Triolo L et al (1994) Nephron 66:153-156

※4 McMurray JJV (2010) J Am Coll Cardiol 56:1196-1204

※5 Buyukkaya E et al (2013) Medicinski Glasnik 10(2):229-233

※6 Mabuchi H et al (2005) J Atheroscler Thromb 12:111-119

食品だけでは血中コエンザイムQ10の濃度を上げることは不十分

食物中のコエンザイムQ10の含有量は、多いものからイワシ、鯖、牛肉、鶏肉、ブロッコリー、バター、チーズなど。100mgのコエンザイムQ10を摂取するするには、コエンザイムQ10を豊富に含む「いわし」でも役20匹をたげる計算になる。

※8 Kamei M et al (1986) Int J Vitam Nutt Res 56(1):57-63

Craneの文献によると、コエンザイムQ10の1日あたりの摂取目安量は100mgとされています。(※6)
日本人は、その食習慣から、1日あたり約5mgを食品から摂取していると言われています。(※7)

※6 Crane FL(2001)J Am Coll Nutr 20(6):591-598

※7 Kubo H et al(2008)J Food Compos Anal 21:199-210

脂質異常症のお薬、スタチン系医薬品(コレステロール低下薬)の服用でも体内のコエンザイムQ10は減少

ルートを示す図。 食べ物→アセチルCtoA→HMG-CtoA→スタチン→メバロン酸→ファルネシルピロリン酸まで同じ。その後コレステロールはスクワレン、還元型コエンザイムQ10はデカプレニルピロリン酸を経て作られる。

還元型コエンザイムQ10が作られるルートとコレステロールが作られるルート(※11・12)

スタチンはコレステロールだけでなく、還元型コエンザイムQ10の生合成も抑制してしまいます。

私たちの体の中で、還元型コエンザイムQ10が作られるルートと、コレステロールが作られるルートは途中まで共通しています。
ですからスタチンは、コレステロールが作られるのを抑えるだけでなく、同時に体にとって重要な還元型コエンザイムQ10の量も減らしてしまうのです。
服用する薬によっては、還元型コエンザイムQ10を意識して補っていく必要があります。(※10)

※10 日本コエンザイムQ協会編(2015) コエンザイムQ10の基礎と応用

※11 Mabuchi H et al (2007) Curr Drug Ther 2:39-51

※12 Bentinger M et al (2010) BBRC 396: 74-79

吸収された還元型コエンザイムQ10は、血液を経由して各臓器に運ばれます。